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キ87は第二次世界大戦中に計画された日本陸軍の試作戦闘機である。開発・製造は中島。 == 概要 == 防空・制空・襲撃等、あらゆる任務に使用可能な万能戦闘機として開発された四式戦闘機「疾風」(キ84)は、行動半径400km(1.5時間)の要求であったが、より航続距離(2時間)も長く、かつ、高高度の戦闘に耐えうる戦闘機としてキ87が1942年(昭和17年)に試作開始され、試作3機増加試作7機が発注された。当初の予定では昭和20年4月には10機とも完成させる予定だったが、キ84の開発が優先したことと新機軸を多く盛り込んだ機体だったため、実機の完成は計画より大幅に遅れて昭和20年2月になった。 本機は、機首右側面に大型排気タービンを備えて高々度の性能向上を目指した。これは、被弾した時の燃料漏れによる火災を防ぐためだったが、テスト時には排気タービンの過熱問題により、ただでさえ不調だったエンジンに悪影響を与えた。このため増加試作機では、他の多くの機種同様機体下面に排気タービンを設置する形にすることも検討されていたという。主脚は90度回転し後方に引き込み式としたのも本機の特徴だったが、これは翼内に大型機関砲や燃料タンクのスペースを設け、前縁部切り欠きを設けないための工夫であった。しかし、当時の日本の技術力ではこのような複雑な構造を実用化できず、脚の動作不良のため5回のテスト飛行では脚を出したままの状態であった。また、重武装、重装甲の機体で、機体の全備重量は約6.1tという日本の単発戦闘機としては異例の巨体となった〔スペック的に近似するアメリカ陸軍のP47は全備重量約8tである。〕。 試作1号機のテスト中は、エンジンの不調、排気タービンの過熱問題、主脚の動作不具合に悩まされ、5回のテスト飛行を実施しただけでそのまま終戦を迎えた。ただし、操縦性は悪い癖もなくキ84よりも感じがよい機体ではあったという。結局完成したのはこの1機で、終戦時には2号機が完成直前であった。本機は、中島において試作された最後の戦闘機となった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「キ87 (航空機)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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